北欧神話における最高神・オーディンは、片目をつむった姿で描かれます。
それもそのはず、彼の左目は、えぐられてしまって、そこにはもうないからです。
では、なぜオーディンは片目を失ったのでしょうか。
それは、知恵を得るためだとされています。
知恵を得るために、ルーン文字を得るために、彼は自分の片目をえぐり、捧げたのだそうです。 北欧神話では、神々さえも、全智ではないということがわかる逸話ですね。
また北欧神話において、重要な役割を占める文字は、
オーディンが得た「ルーン文字」です。
ルーン文字は別名魔術文字とも呼ばれ、神秘主義者に愛されてきました。
オーディン自身、魔術の神ですから、彼が片目を犠牲にしてまで手に入れた文字は、
さぞかし力のあるものだったのでしょう。
しかし、その姿形は、派手なものではありません。
直線の頂上に、楔形の返り点をつけたものや、魚の骨のような形の文字。おおむね、直線だけで表現されています。しかし、その文字ひとつひとつに深長な意味が込められていて、たとえば、稲妻のような形をしたルーン文字は、アルファベットの「s」に対応していて、「太陽」をも意味しています。また、「i」に対応する、棒のようなルーン文字は、氷を意味するなど、一文字、ひともじが、北欧神話において大切なものを意味しています。
オーディンは、北欧神話随一にして、最高の神ですが、
同時に、ルーン文字の父でもあります。
最高神が文字の神であるというのは、特徴的ではないでしょうか。
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