北欧神話の特徴は、なんといっても、
「神々も死ぬ定めにある」というところにあるでしょう。
通常、神は、全能の存在で、当然、死ぬことはないと考えられています。
日本神話において、「死んだ」と書かれているのは、二人の神様だけです。
スサノオの乱暴によって機織りの道具で陰部をつき、
命を落とした、「稚姫命(わかひめのみこと)」がその一人。
そうしてもう一人は、高天原(たかまがはら)から、葦原中国(あしはらなかつくに。出雲のこと)を視察に訪れたは良いが、使命を忘れてしまい、あまつさえ高天原からの使者である「雉女(きじめ)」を射殺してしまった、「天稚彦(あめのわかひこ)」です。
しかし、見ればわかるように、二人とも名前に「稚」の文字が入っています。
その上、稚姫命は天照大神(あまてらすおおみかみ)の若いころの名前で、
「死」のような儀式を通過して、大人になったのだとみなす見方もあり、
そうであれば、死んだのではなく、儀式を通過しただけということになります。
天稚彦命も、彼の葬式に、稚彦そっくりの若者が現れたとなっていて、
これもまた、稚彦が再生した姿なのだと解釈されています。
つまり、日本神話では、神が死ぬことはないのです。
しかし、北欧神話では、「神々が死ぬこと」は、
世界の始まりから決まっている約束事だとされています。
そして、「ラグナロック」と呼ばれるときには、善神と悪神の戦争になり、
もし、悪神が勝てば、世界は闇に閉ざされてしまうと考えられています。
つまり、神々の世界も決して楽しいものではないのですね。
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