北欧神話には、善神だけでなく、悪神も登場します。
「神といえども、悪い心を持ったものがいるはず」という考えは、
合理的で理性的な北欧の人々の特徴でしょう。

たとえば、善神の中でもっとも有名なのは、オーディンでしょう。
オーディンは、人間に、ルーン文字や火をもたらし、知恵を与えました。
ただし、ルーン文字のかわりに、片目を失ったため、絵画では、片目をつむった姿で描かれます。

また、雷はトールの槌によって起きると考えられており、稲妻を「ゼウスの矢」と考えた、
ギリシャの人々と似たような感覚を見てとることができます。

北欧神話における悪神は、狼の姿をしたロキや、ミッドガルドの蛇など、
善神と対立する形で存在します。彼らは、人間に害を及ぼし、善神を脅かします。

エジプト神話における、「セト」が似たような神であると言えるでしょうか。
セトは、オリシスの弟ですが、嫉妬深く、いつも兄のことをねたんでいました。
そしてある日、兄を殺して、死体をバラバラにしてしまうのです。

北欧神話においては、戦いはまだ始まっていません。
ラグナロック、つまり「神々の黄昏」がやってくると、善神と悪神は全面戦争に突入し、どちらかが滅ぼされるまで戦い続けなくてはいけません。

ですから、今現在の神々も決して平和に暮らしているとされているわけじゃないんです。
戦いに備えて牙を磨き、虎視眈眈とその日を待っていると考えられています。
北欧神話においては、何かと暗い面が強調されますが、
虹を「神々の国への架け橋」とみなすなど、独特のロマンティシズムも息づいているんですよ。



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